7月も終わりごろ、お世話になっている建築会社に顔を出すと、そこの社長が
「おっ、いいところに来た。ちょっとこれ頼む」
と図面を出してきた。
仕事は施設の一室に間仕切壁を建てて、そこに大きな引き戸をつけるという仕事。
家具はない。
しいて言えば引き戸は建具工事なので、関係なくはない。
「おまえ、これくらいやったら自分でできるやろ?」と社長
「えっ、これくらいって、この壁もですか?」
「もちろんそうや」
「・・・がんばります」
そんなこんなで家具工房が大工に早変り。
週末の三日間で仕上げなくてはいけない。
現場を採寸して、簡単に図面を書く。
材料をお願いして、飾り枠などの加工を工房でやっておく。
木曜日に現場に入り、床に墨を打つ。
壁を作るだけならそう難しい工事ではない。
建築関係の人ならわかると思うが
間柱を立てて、ヌキを打って、ボードを張れば出来上がりだ。
(この後はクロス屋さんの仕事)
しっかし、いつものことだが現場はそうは甘くない。
壁の一方は腰高のサッシ窓。
固定ガラスの部分だが、その部分は木枠が必要だ。
サッシに合わせて加工しなくてはいけない。
しかもレーザーで墨だしをしてわかったのだが、壁が真っ直ぐでない。
「うへぇ~、ちょっと厄介だぞ、こりゃ」
大体、大工仕事は本業ではない。
道具も家具製作用のものしかないので、出来なくはないが基本的には現場仕事用ではない。
唯一の救いは、この現場は既存の施設の中なので、エアコンが効いているのだ。
小松で37℃を記録した日もラッキーなことに涼しいお部屋での仕事。
なんとか二日で木工事を終え、ボード張りへ。
「ボードなんてほとんど張ったことないぞ・・・」
それでも四苦八苦しながらなんとか仕上げた。
クロス屋さんと現場で出合ったので
「すみません、ボードの仕上がりあまりきれいじゃないかもしれないんですけど・・・」と言うと
「ほうか?こんなもんや。ぜんぜん問題ないよ」とクロス屋さん。
あー、よかった。
出来上がりはこんな感じ。
これに引き戸を入れたら完成です。
現場では電気屋さんとか設備屋さんから
「大工さん、ちょっとビスちょうだい」とか
「大工さん、今日は何時までするん?」とか
「大工さん」と呼ばれてなぜかちょっとうれしかったMASAKI工房でした。
(いっぱしの親方気分で)
投稿者 masaki : 2007年08月05日 20:39