今日は午前中、養護老人ホームの手すりの修繕に行ってた。
本来の仕事ではないのだけど、お世話になっている建築屋さんから
「人手が足りなくてなかなか行けないので、頼めないか?」と言われたのだ。
先週、現場を下見したら、手すりのを取り付けてある根本がグラグラになっていた。
その老人ホームには目の不自由なお年寄りがたくさん生活していた。
みんな手すりを頼りにそろそろと歩いている。
グラグラになっている手すりは、下地を張り替えなくてはいけないようだったので、修理している間はその部分だけ手すりをはずさなくちゃいけない。
手すりの付いている古い壁を壊す。
これが結構難儀した。石膏ボードを2重貼りしてあり、小さめのバールで突き壊した。
汗だくになって壊している最中にも、その手すりを目指しておばあさんが歩いてくる。
そのたびに
「あっ、おばあちゃん。いまここの手すり直しとるし手すりないよ。気を付けてね」
と声を掛ける。
何度かはしわくちゃの手を、そーっと引いて手すりの替わりもした。
ボロボロのボードを取り壊し、合板に張り替える。
クロスやさんに来てもらってクロスも新品に張り替える。
外してあった手すりを再び取り付ける。
今度は僕が握ってもビクともしない。
「よしよし、ええ感じや。これで大丈夫や」
ひとりでつぶやく。
通りかかったおばあさんが
「ありがと、ありがと。ほんとにありがと」と何度も言ってくれた。
仕事と言えば仕事なんだけど、「なんだかいいことしたなぁ」
って思ったよ。
午後遅くから、食器棚の木取りにかかる。
この食器棚は幅2m、高さ2m40cmもあり、3段組の大物だ。
材料はクリ。
この材料を揃えるだけでも大変なのだ。
木目を見ながら墨を打つ。
木は結構仕入れたのだけど、思うような木目がなかなか取れない。
特に長い材料が困る。
クリは節がある物も多く、あと20cmというところで大きな節があったりして
柾目で2mというのがなかなかとれなかったりするのだ。
あっちの板をひっくり返したり、こっちの板を計ったり・・・
今日はどうにかこうにか大事な柱や框、敷居になる部材を墨付けした。
部材の数は相当なものになる。
しかも納期が厳しいので、当分はこの食器棚との格闘になりそうです。
近いうちに「ただ今制作中」にアップするので、また見て下さいね。
でわでわ
投稿者 masaki : 2006年07月03日 22:48