鉋(カンナ)の調子が今ひとつよくない。
ちゃんと研いでいるつもりなのだが、逆目が起きる。
ちょっと困ったので、知り合いに紹介してもらった大工の親方のところに教えをこいに行った。
親方は仕事の手を休めて、まず自分の鉋で削って見せてくれた。
す~っと薄い削り屑が鉋から出てくる。
次に僕の鉋で試してみる。うまく削れない。親方曰く
「これは台の調整がよくないな」
そう言いながら鉋を裏返しにして、台をノミで削り始めた。
「どうやこれで削れるやろ」
それまでとは全然違う切れ方だった。
鉋は難しい。本当に微妙な調整が必要なのだ。
しかし、その微妙な加減で削れ方が全く違ってくる。
よく切れる鉋で仕上げた木肌は、光って見えるほどきれいだ。
僕はこの親方を勝手に師匠と呼ぶことにした。
師匠は近所にある自分が建てた家も見につれていってくれた。
今時の住宅にはないような、まるで寺社仏閣のような建て方をした家だった。
感動した。家具作家もいいけど、大工さんもいい!
投稿者 masaki : 2005年12月27日 23:59