無垢の木にこだわった家具を創っています。
無垢の木とは、ベニヤのような合板や、集成材のように接着剤で張り合わせていない、木の塊を言います。もちろんベニヤや集成材も使う用途によっては大変有用な素材です。ただ何十年という歳月に耐えられるのはやはり無垢の木だと思います。
私は一枚板も多く使いますが、年輪を数えると二百年や三百年経った木もあります。
そんな木を家具に加工するために切り倒す。(もちろん僕がきるのではないですが)
もし同じ木を用意しようとすれば二百年、三百年かかります。
そう思うと、おいそれと切り刻む訳にはいかなくなる。
作品を創るためには切ったり削ったりしない訳にはいかないので、そこにジレンマを感じることもあります。
ただ家具になった木が、その後何代も受け継がれて生き続けてくれれば・・・そう思うとジレンマも少しは解消します。
ここではそんな思いで創る家具の技術的なこだわりをご紹介します。
手作りならではのこだわりをぜひ知って頂ければ幸いです。
投稿者 masaki :
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市場で仕入れた木は、製材したばかりの物がほとんどなので、そのままでは水分が多くて使えません。
木は乾燥と共に木目にそって縮みます。そうすると板の場合ほとんどが多かれ少なかれ反るのです。
そこで仕入れた木は時間を掛けて乾燥させ、反る物は反らせ、縮む物は縮ませます。
乾燥は「一寸一年」とも言われ一寸(約3cm)の厚さの板なら、乾燥に一年間かかると言うことです。
この計算でいくと、三寸(約9cm)の厚さの板の場合、乾燥には3年かかると言うことになります。
実際は樹種にもよりますが、家具に使用する木の場合とにかくこの乾燥が大変重要になってきます。
機械を使った人工乾燥という方法もありますが、私は出来るだけ自然乾燥を心がけています。
写真のように桟を挟んで風通しのよい状態で積んで置きます。
つまり3年先に使う材料を今から仕入れなくてはいけない、と言うことです。
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木取りとは、木のどの部分を使って家具の部材を取るかを決めることです。
実はこの作業が家具の出来上がりを半分以上決めると言っても過言ではありません。
木目の流れを見て、見た目の善し悪しだけでなく、湿度の変化による木の動きを予測して、どの向きに切ったらよいか等も考えます。
ですからこの木取りというのは大変静かな作業ですが、頭の中はフル回転です。
完成された家具を頭の中でどこまで明確にイメージできるかが勝負です。
どう木取るかが決まるとチョークで印を付けます。
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ホゾ組みとは写真のように片方にホゾと呼ばれる出っ張りをつくり、もう片方はその出っ張りに合うように穴を開け、組み上げる日本の伝統的な技法です。
接着剤やネジで止めるより、はるかに強度が強い組み方です。
木組みにはホゾ組み以外にも沢山の組み方がありますが、出来るだけ金物に頼らない作りを心がけています。
写真は子ども椅子の部材ですが、小さな椅子でもきちんとホゾ組みで創ります。
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